土地をいくらで売るか以上に大切なこと

田舎に住んで、農業をしていた家では、親が高齢になり、また子供が会社員として生活している場合は、農家は縮小せざるをえなくなります。そうすると、問題は土地の管理。話し合いの上、最終的には売るのが一番いいのではないかということになり売りに出すことになります。

ところが、安くしても、田舎の土地はなかなか買い手がつきません。

農業をやめた後の土地

田舎で農業をしていた家にとっては、農業をやめた後の土地の管理は大変です。雑草は一度刈れば良いというわけではなく、夏などは2日か3日おきには草刈りをしなければならず、高齢者には大変な負担になります。その家の子供も会社員として勤めているため、なかなか土地の管理には手が回りません。

そうすると、最後には手放すという選択をせざるをえなくなります。もちろん、愛着を持っている土地を手放すのはつらいものですが、これから先のことを考えるとそれが一番の選択である場合が多いのです。また、お金を持っている方が、手のかかる土地を持っているよりも売ってしまった方がこれからの高齢者にとって都合がいいという考えがあります。

そういうこともあり、私の住んでいる田舎でも田んぼや畑を売る人が増えてきたのです。

田舎の土地の価値

そうはいっても、田舎の土地ですから地価は低いです。また、田舎のため利用方法も限定されてしまいます。土地といえども、驚くほど安くしなければ、売れない場合が多いです。商業地としてもなかなか利用価値がないのでしょう。

売土地の看板をよく見かけますが、いつまでたっても買い手がつく様子がなく、その看板がなかなか撤去されません。数か月から数年単位で、同じ場所で売土地の看板を見かけます。今まで、働いて農作物を作ってきた土地ですから愛着があります。

ですから、安く売りたくはありません。しかし、安く売らないと買い手がつかないのです。田舎の土地でも、持ち主にとってみれば貴重な財産になりますから、安く売るのは断腸の思いです。

それでも、しかたがないのです。

わが家の土地

わが家も土地を売りに出していますが、なかなか売れません。2年前から売りに出しているのに買い手がみつかりません。かなり広めの土地で、できる限り安くしています。それでも売れないのです。理由はわかります。田舎で何をするにも不便な場所であるためです。

農業をするためにはいい場所でした。しかし、今の時代、農地として買う人はなかなかいません。しかたがありません。時代の流れなのでしょうか。農業をする人はいるにはいるのですが、その人達は土地を買っているのではなく、借りています。

その人たちも、のちのち農業ができなくなった場合を考えて、土地を借りて農業をしているのだと思います。昔は土地を買わなければ農業もできなかったそうですが、今は無料でよいから借りてほしい。管理をしてくれればそれで良いという考えの人も多いのです。

不動産屋とのやりとり

ところで、私も、土地を売るに当たり、初めて不動産屋さんとお付き合いをすることになりました。いくらで売るのかは、その方に決めてもらいました。私だけでなく、土地を売るのはなかなか経験のないことなので、どうしても専門家の人に頼らざるをえなくなります。

そして、その不動産屋さんにすべてをまかせることにしています。最初は金額を聞いたときに驚くほど安かったのですが、周囲の土地の値段も考えてその値段でないと難しいだろうからということでした。不動産屋さんは定期的に自宅にきて、報告をしてくれますが、なかなか先に進みません。

周囲には、買い物ができる店もなければ、病院も遠く、生活するのには不便な土地なのでなかなか難しいようなのです。それでも、バブルの頃はそういう土地でも飛ぶように売れたようなので、私からしたら信じられません。

⇒土地を売る時に気をつけたい登記について

金額には変えられないもの

しかし、そうはいっても土地を荒らすと、不法投棄や周囲やのちのちの家族への迷惑を考えると安くてもなるべく早く売りたいという気持ちの方が強く、値段の安さには目をつぶらざるをえなくなってしまいます。そう考える人が多いのでしょうか、私の家の周囲の土地も私が子供の頃とは様子が違ってきてしまいました。

小さい頃、田んぼだった土地は家が建ち、野菜畑だったところには太陽光発電のソーラーがついています。ここ10年ぐらいの出来事です。この10年くらいで土地に関する田舎の人の考えが変わってきたのでしょう。

わが家もこれから先のことを考えると他の土地もなるべく売った方が良いのではないかという考えもあるので、もう仕方がないのでしょう。おそらく、これから先、10年もすれば田んぼや畑は私の家の周辺からは姿を消すのではないかと思っています。

それも時代の流れとはいえ、さみしいことです。

田舎の活性化

政府は地方にも光を当てるような政策を考えているようですが、人の考えはそうは簡単には変わりません。政府が考えるようにうまくはいきません。田舎に施設を建てるよりも、人の流れが多いところに建てた方が良いのは私でもわかります。

商業施設は人口の少ない田舎より、人口の多い町の方が利益がたくさん上がります。工場も、利便性の高い土地の方がたくさんの人が集い、工場も発展するでしょう。良い人材もたくさん働いてくれるような気がします。そのため、田舎の土地を買うよりも、多少高くても町の土地を買う方が良いのです。

だから、田舎は土地があってもなかなか買い手がつかずに、いつまでも売土地の看板がたったままなのです。

私も、売りに出している土地に建つのがスーパーや病院や周囲の人に良い効果をもたらすものであればよいなと考えますが、なかなかそうはうまくいかないようです。

土地神話

最近は、安くても仕方がない、誰かに買ってほしいとはっきり言う人も聞きます。それほど、土地に対する考え方が大きく変わってきたのでしょう。土地神話という言葉はバブルの時に言われていた言葉です。35年くらい前に言われていた言葉なのです。

日本は国土が狭く、土地が限られているから土地を持っていればそれが値上がりして財産になるんだ、と。それが、今は全く正反対になってしまいました。それほど、バブル崩壊から今まで考え方が大きく変わってきたのでしょう。

そして、その土地神話は、私が住んでいる農業が盛んだった田舎ほど強く信じられていたような気がしています。

関連資料...不動産売却一括査定.com ... 土地 査定http://www.urufudosan.com/land/